NO USE FOR A NAME

　4thアルバム。前作ではハードなサウンドから一変、ポップでメロディアスな作品をリリースし一定の人気を獲得したが、今作はそれを上回る完成度になっており、初期NO USEの完成形的なアルバムになっている。シンプルで短い曲ばかりなのに、ポップさとエモさがうまい具合に混ざり合った、まさに捨て曲なし！といったアルバムである。

　前作と次の作品の陰に隠れてなんとなく過小評価されがちかもしれないが、個人的にはいいアルバムだと思う。前作までと比べると確かに少し落ち着いた印象は否めないものの、ヴォーカルの歌い方が非常に伸びのある声になり、アルバム全体を美しくまとめてくれている。13.Saddest Songがお気に入り。

　NO USEといえばこの6thアルバムという人が多いのではないか。高速メロディックソングが復活し、さらに前作よりも哀愁が増している。1～6曲目の流れなんて本当に隙がなく思わず聴き入ってしまう出来。NO USEって、演奏はシンプルなのに聴かせられる曲をずっと作り続けられるところが本当にすごいと思う。国内のメロコアバンドにも多大な影響を与え続けている大名盤。